AI エージェント化した Autodesk Assistant 以外で AutoCAD 2027 で導入された機能を簡単にご紹介しておきたいと思います。今回のバージョンでは、後述する Forma Data Management(旧名 Autodesk Docs)との連携機能を重点的に拡張、強化しています。
ジオメトリのクリーンアップ
AutoCAD 2027 では、図面内のジオメトリ(図形オブジェクト)の不整合を検出、修正するための [ジオメトリのクリーンアップ] が追加されています。
GEOMETRYCLEANUPOPEN コマンドで [ジオメトリのクリーンアップ] パレットを表示させて、パレット上の [オブジェクトを選択] ボタン(下図 ①)で対象のジオメトリを選択(下図 ②)します。

スキャン(検査)対象のジオメトリ選択が終了すると、[ジオメトリ クリーンアップ設定] ダイアログが表示されて、ジオメトリのギャップ(隙間)、オーバーシュート(長さがはみ出し)、アンダーシュート(長さが足りない)、角度の不揃いなどの許容差の値を指定することが出来ます。

ダイアログ右下の [スキャン] ボタン(上図 ③)をクリックすると、選択したジオメトリをスキャンして、指定した許容差に合致するジオメトリ箇所が [ジオメトリのクリーンアップ] パレットに列挙されてきます。
[ジオメトリのクリーンアップ] パレット上の各項目を展開、クリックすると、修正候補から適切なものを選んで問題を修正することが出来ます。

接続された参照
参照パスの解決が出来ず、見つけられなくなった外部図面参照ファイル(XREF)のパスを更新するワークフローが改良されています。
外部参照を含む図面を開いて作業する際、新しい [見つからない] スイッチをオンにして [ファイル参照] ペインで [見つからない参照] ビューを表示することが出来ます。このビューには、見つからない外部図面参照ファイル(XREF)ファイルのみが表示されます。

[見つからない参照] ビューで、選択した見つからない参照をマウスでチェックして次のタスクを実行することが出来ます。
- 不要になった参照をアタッチ解除する。
- 新しいパスを参照、指定して参照パスを更新する。
- 推奨パスに基づいて参照パスを解決する。(Autodesk プロジェクトから開いた図面にのみ適用されます。)

- 参照の推奨パス
通常、参照ファイルの名前を変更したり移動した場合、ファイル パスが変更されてしまい、参照ファイルを見つけることが出来なってしまいます。これを解決するには、見つからない参照ファイルへの参照パスを更新して、AutoCAD が正しくロードできるようにする必要があります。
ファイルが Forma Data Management に保存されている場合、[外部参照] パレットは、見つからない参照を、自動的に特定しようと試みます。もし、一致するものが見つかると、推奨パスが表示されます。
Autodesk Forma 統合
Autodesk Construction Cloud を Autodesk Forma へ統合 のアナウンスのとおり、従来、 Autodesk Construction Cloud® (ACC)と命名されていた関連製品名が変更されています。旧 ACC API 上の変更はありません。詳細は、新しい Autodesk Forma インダストリークラウドについて をご確認ください。

この変更の沿って、従来バージョンの AutoCAD で用意されていた Autodesk Docs との連携機能名にも変更が生じています。
Forma Data Management Essentials
AutoCAD 運用時に Forma Data Management(旧名 Autodesk Docs)との連携機能が向上しています。この機能を利用すると、図面ファイルの共有、シートのパブリッシュ、転送パッケージの作成の他に、マークアップ アシストを併用したデザイン レビューや指摘事項の追跡が可能になります。AutoCAD 2027 になって、次の機能が追加されています。
- Forma Data Management Essentials
- 同期されていないプロジェクトの表示
- 学習コンテンツ パネル
- Forma Data Management 内の強化された AutoCAD 機能
Forma Data Management Essentials
AutoCAD および Civil 3D サブスクリプションには Forma Data Management Essentials が含まれています。プロジェクトの一元化された情報源を提供し、チームの連携を常に維持するのに役立ちます。主な機能は次のとおりです。
- オンラインでの図面ファイルの共同作業
- 権限がコントロールされたアクセス
- ファイルのバージョン管理
- ファイル共有
- ファイル レビュー ツール
同期されていないプロジェクトの表示
まだ同期されていないプロジェクトも含めて、自分がメンバーになっているすべてのプロジェクトを表示できるようになりました。同期されていないプロジェクトからファイルにアクセスするには、Autodesk Desktop Connector を使用して同時するプロジェクトを選択、ファイルをローカル コンピュータと同期する必要があります。

学習コンテンツ パネル
[スタート] タブの [Autodesk プロジェクト] セクションには、Forma Data Management の学習リソースのパネルが用意されています。このパネルには、Forma Data Management 内に保存された図面で作業するための強化された AutoCAD 機能に関する詳細が含まれています。

チェックアウト
[チェックアウト] を使用すると、他のユーザーが Forma Data Management から図面を開いて作業中に、その図面の一部を編集したり変更を提案したりすることが出来ます。
手順 1: 共有メンバーの 1 人が、Forma Data Management に保存されている図面を開きます。2 人目の共有メンバーが図面を読み込み専用で開きます。
手順 2: 2 人目の共有メンバーは、CHECKOUT[チェックアウト] コマンドを開始して、図面内のジオメトリの一部を選択してチェックアウトします。図面の選択した部分が、新しいトレースの [トレース] ワークスペースに開かれます。チェックアウトされたジオメトリは、図面を開いている共有メンバーに対してロックされます。
手順 3: 2 番目の共有メンバーが新しいトレースに変更を加えます。編集が終了したら、変更内容を送信します。
手順 4: 図面を開いている共有メンバーは、共有メンバーが変更を提案したという通知を図面内で受け取ります。その後、共有メンバーは変更を確認し、図面に結合するかどうかを決定することが出来ます。

接続されたサポート ファイル
ツール パレットとブロック エディタで使用するブロック オーサリング パレット ファイル(.atc)、部分カスタマイズ ファイル(.cuix)は、Forma Data Management に保存されている同じ Autodesk プロジェクトで作業する他のユーザと共有することが出来ます。
- 接続されたサポート ファイルを設定することが出来るのは、プロジェクト管理者のアクセス権を持つプロジェクト メンバーのみです。
Forma Data Management から図面を開いた際に、OPTIONS コマンドで [オプション] ダイアログを開き、ツール パレットやオーサリング パレットのファイル(.atc)、部分カスタマイズ ファイル(.cuix)を保存するプロジェクト上の場所を指定しておきます。

参考:接続されたサポート ファイルを使用できるように Autodesk プロジェクトを設定するには

ツール パレット/ブロック オーサリング パレット
何が出来るのか?
[オプション] ダイアログで指定した Forma Data Management の Autodesk プロジェクトから図面を開いた時だけ、[共通ツール] パレットを表示して利用出来るようになります。ブロック オーサリング パレットの場合も同様です。
下図は、 独自に作成した [共通ツール] パレットを Autodesk プロジェクトに同期、利用した際の例です。

ツール パレットとオーサリング パレットの設定
ローカル コンピュータで定義したパレットのパスを特定して、Autodesk Desktop Connector を使って Forma Data Management プロジェクトと同期します。
例えば、ローカル コンピュータで [共通ツール] パレットを作成、利用していて、Forma Data Management の Autodesk プロジェクトでも使用したいと考えた場合、CUSTOMIZE コマンドで [カスタマイズ] ダイアログを開くと、 [共通ツール] パレットのローカル パスを確認することが出来ます。

[共通ツール] パレットのローカル パスが確認出来たら、Autodesk Data Connector が同期で利用する場所に、[共通ツール] パレットの .atc ファイルをWindows エクスプローラーを使って直接、コピー、または、移動します。
Autodesk Data Connector が同期で利用する場所は、Autodesk Forma から、[オプション] ダイアログで設定した Forma Data Management プロジェクト(Autodesk プロジェクト)の同期パスとして参照することが出来ます。

Forma Data Management プロジェクトの同期パスに [共通ツール] パレットの .atc ファイルがコピー、または、移動されると、自動的に同期がおこなわれます。

部分カスタマイズ(CUIx)ファイル
何が出来るのか?
[オプション] ダイアログで指定した Forma Data Management の Autodesk プロジェクトから図面を開いた時だけ、リボン タブやパネルなど、部分カスタマイズ ファイルで定義したユーザ インターフェースを AutoCAD に表示させて、利用出来るようになります。
下図は、 独自に作成した [Formaプロジェクト] リボン タブを持つ部分カスタマイズ ファイルを Autodesk プロジェクトに同期、利用した際の例です。

部分カスタマイズ ファイルの設定
ローカル コンピュータで定義、利用している部分カスタマイズ ファイルのローカル上のパスを特定して、Autodesk Desktop Connector を使って Forma Data Management プロジェクトと同期します。
例えば、ローカル コンピュータで [Formaプロジェクト] リボンタブを持つ部分カスタマイズ ファイルを作成、利用していて、Forma Data Management の Autodesk プロジェクトでも使用する場合、CUI コマンドで [ユーザ インタフェースをカスタマイズ] ダイアログを開き、部分カスタマイズ ファイルのローカル コンピュータ上のパスを確認することが出来ます。

部分カスタマイズ ファイルのローカル パスが確認出来たら、Autodesk Data Connector が同期で利用する場所に、部分カスタマイズ ファイルの .cuix ファイルをWindows エクスプローラーを使って直接、コピー、または、移動します。
Autodesk Data Connector が同期で利用する場所は、Autodesk Forma から、[オプション] ダイアログで設定した Forma Data Management プロジェクト(Autodesk プロジェクト)の同期パスとして参照することが出来ます。

Forma Data Management プロジェクトの同期パスに [共通ツール] パレットの .atc ファイルがコピー、または、移動されると、自動的に同期されます。

その他の機能強化と変更
レイアウト タブの切り替えのパフォーマンス: 改善により、レイアウト タブの切り替えに要する時間が短縮されました。
グラフィックス – 2D と GSF の機能強化: リアリスティック(高速)表示スタイルが既定でオンになりました。この更新により、クロスプラットフォーム 3D グラフィックス システム(FASTSHADEDMODE) が大幅に強化され、機能が豊富なリアリスティック モードで安定した効率的なパフォーマンスを提供します。これらの機能強化により、大きい座標、隠線エッジ、マテリアル、光源、テクスチャ、影、空、背景などの機能をサポートすることで、表示の正確性が向上します。
AutoCAD Web およびモバイルのサポートの廃止: [Web およびモバイルから開く] および [Web およびモバイルに保存] 機能は、このリリースから削除されました。以前に AutoCAD Web およびモバイルを使用していた場合は、Forma Data Management を利用することをお勧めします。これにより、どこからでも図面ファイルを保存したり、アクセスすることができます。
[Autodesk Docs にプッシュ] に置き換わる [Forma Data Management にプッシュ]: [Autodesk Docs にプッシュ] 機能は、[Forma Data Management にプッシュ] に更新されました。新しいコマンドとシステム変数が導入され、[Forma Data Management にプッシュ] パレットを表示したり閉じたりすることができます。
MrSID イメージ形式のサポートの廃止: MrSID 形式で保存されたイメージ ファイルは、図面ファイルにアタッチできなくなりました。MrSID イメージは、サポートされているファイル形式で保存し、再アタッチする必要があります。
PostScript ファイル作成のサポートの廃止: このリリースでは、PSOUT[PS 書き出し] コマンドは削除され、EXPORT[書き出し]コマンドによるこの形式への書き出し機能がサポートされなくなりました。図面から PostScript ファイルを作成する必要がある場合は、必要な出力に応じて PC3 ファイルを設定します。

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