オートデスクは、昨年、New York で永久ライセンスの新規販売を 2 年以内に中止し、Desktop Subscription への移行を宣言しています。これを受けて、2 月に日本でも プレス リリース をしています。曰く、2016 年 2 月 1 日以降に販売する単体ソフトウェア製品を「Desktop Subscription」(デスクトップ・サブスクリプション)でのみ提供する、というものです。
そこで、今回は Desktop Subscription のライセンスの仕組みと導入までの手順を簡単にご紹介しておきたいとます。Desktop Subscription とは、もともと レンタル ライセンス として約 2 年前に導入された製品の運用形態で、名称が変更されているだけで利用されている技術的なメカニズムは同じです。実際に利用する製品は、クライアント コンピュータにインストールして、ライセンスをオートデスクがクラウドで管理するため、クラウドの利用形態について で紹介した クラウドによるライセンス管理 にあたります。
Desktop Subscription のライセンス形態
利用するライセンス形態は、2015年5月1日現在、スタンドアロン ライセンスとなります。近い将来、ネットワーク ライセンスの Desktop Subscription が導入される予定ですが、時期は未定です。オートデスク製品のライセンス形態については、過去のブログ記事 オートデスク製品のライセンス種別と考え方 を参考にしてみてください。
用語の整理
Desktop Subscription の説明をする前に、1 つだけ用語の整理が必要です。ここで言う用語とは、契約管理者 と 指名ユーザ の 2つです。

契約管理者:
契約管理者とは、Autodesk ストアや認定リセラーから Desktop Subscription の契約窓口となる人を指します。契約管理者の主な役割は、Desktop Subscription 契約で得られるライセンスを誰に使用させるか指名する点です。ユーザ管理です。企業で Desktop Subscription 契約した場合には、ユーザ管理の役割も同時に持つことになります。個人ユーザの場合には、必然的にユーザ自身が契約管理者の役割を担うことになります。
契約管理者は、メール通知を受け取るために、電子メールアドレスをオートデスクに知らせる必要があります。オートデスクは、提示された電子メールアドレスに関連付けられた Autodesk ID の有無をチェックして、紐付けされた Autodesk ID がない場合、仮パスワードとともに Autodesk ID を作成します。Autodesk ID は、事前に http://accounts.autodesk.com から取得することも出来ます。
指名ユーザ:
Desktop Subscription ライセンスを実際に使用するユーザです。企業ユーザの場合、契約管理者から指名されて初めて使用権利が与えられるので、「指名ユーザ」と呼ばれます。
指名ユーザも契約管理者と同様に、メール通知を受け取るためと、ライセンス認証を得るために Autodesk ID が必要です。契約管理者は、指名ユーザの電子メールアドレスを登録してライセンスの利用者を指名しますが、Autodesk ID も登録はおこないません。
オートデスクは、契約管理者によって作成された指名ユーザの電子メールアドレスに関連付けられた Autodesk ID の有無をチェックして、紐付けされた Autodesk ID がない場合、仮パスワードとともに Autodesk ID を作成します。Autodesk ID は、事前に http://accounts.autodesk.com から取得することも出来ます。
Desktop Subscription の特徴と利点
Desktop Subscription の特徴と利点を簡単にまとめると、次のようになります。初回起動時に必ずインターネット接続が必要になる点にご注ください。なお、利用可能となるクラウド ストレージ サイズやクラウド クレジット数など、技術的な部分とは関係なく、運用ルールは今後変更される可能性がある点はご留意ください。
- 契約によって利用可能な期間を限定するスタンドアロン ライセンス(レンタル ライセンス)
- 選択可能な契約期間:1ヶ月、3ヶ月、1年、2年、3年
- 既存の永久スタンドアロン ライセンスと CAD 機能は同一
- 定期的なライセンス認証のためインターネット接続が必須
- オートデスク認定リセラーか Autodesk ストアで購入可能
- 契約期間内はシート毎に 25 GB の A360 ストレージを利用可
- 契約期間内は指名ユーザ毎に 100 クラウド クレジットを提供
運用開始までの流れ
Desktop Subscription ライセンスの運用までの流れは、おおまかに次のようになります。
- 契約管理者となる方の電子メール アドレスを入力
- 電子メール アドレスで登録された Autodesk ID の有無をチェック
3.指名ユーザ(利用者)を登録
- 製品使用権(アセス権)を付与
- メールで案内されたシリアル番号を利用
- オンライン アクティベーションを実施
- 指名ユーザ情報を入力 >> 指名ユーザ認証をオンラインで実施
具体的な運用までの画面遷移
1. 製品購入(契約)後に契約管理者にメール通知が届きます。この時、契約時にオートデスクに知らせた電子メールアドレスをキーに、Autodesk ID の有無がチェックされます。Autodesk ID の有り無しによってm契約管理者に届くメール内容に若干の違いがあります。Autodesk ID がなく、オートデスク が Autodesk ID を作成した場合には、仮パスワードが記載されたメールとなります。

2. 契約管理者はユーザ登録と指名ユーザを指定するために、Autodesk ID でオートデスク アカウント(https://accounts.autodesk.com/)にサインインします。

3. 契約管理者は、ライセンスを利用する可能性のあるユーザをユーザ登録して、その中から指名ユーザを指定します。まずは、ユーザ登録をおこないます。ユーザ登録時には、各ユーザの Autodesk ID の有無にかかわらず、名前と電子メールアドレスのみを登録します。

ユーザ登録は 1 人単位でおこなうことが出来るほか、同時に最大 50 人の電子メールアドレスでおこなうことも可能です。

ユーザ登録が完了したら、一覧表示される登録ユーザのなかから「アセス権(本当はアクセス権)」リンクをクリックして、表示された画面から指名ユーザを指定します。指定は下記の画面で「割り当て」チェックボックスにチェックを入れるだけです。なお、契約期間内であれば、契約管理者は指名ユーザを別のユーザに切り替えることが出来ます。指名ユーザは、他の登録ユーザに指名を変更することは出来ません。

指名されたユーザには、電子メールアドレスで自身が契約管理者に指名されたことが電子メールで通知されます。なお、指名ユーザのユーザ登録時に電子メールアドレスと既存の Autodesk ID がチェックされ、もし、Autodesk ID がなければ、オートデスクが Autodesk ID を作成して通知します。この時、通知メールには、仮パスワードが記されています。
4. 指名ユーザは、指名ユーザの Autodesk ID でオートデスク アカウント(https://accounts.autodesk.com/)にサインインして、利用する製品インストールをおこなます。Desktop Subscription ライセンスはスタンドアロン ライセンスなので、永久ライセンスと同じように製品インストーラをダウンロードして、割り当てられているシリアル番号で製品をクライアント コンピュータにインストールします。なお、指名ユーザのオートデスク アカウント ページに製品インストーラが記載されるまでの、契約管理者が指名ユーザを指定してから、最大 24 時間かかる場合がありますのでご注意ください。指名ユーザを指定してすぐに反映されません。
5. 製品インストール時に利用すべきシリアル番号は、オートデスク アカウント上に表示されてきますので、必ず、そのシリアル番号を使用してください。Desktop Subscription ライセンスの製品インストーラは、現時点で永久ライセンスの製品インストーラを全く同じです。Desktop Subscription ライセンスであるかどうかは、シリアル番号で区別されます。

6. インストールが正常に完了したら、製品を起動します。初回起動時には、指名ユーザの Autodesk ID で製品内からサインインすることを求められます。このサインインで指名ユーザの製品使用権限がチェックされ、同時にスタンドアロン ライセンスのオンライン認証が実行されます。このため、初回起動時には、必ず、インターネット接続が必要となります。

初回起動時のライセンス認証が完了すると、契約管理者には指名ユーザが認証されたことがメールで通知されます。

運用開始後の流れ
運用が開始されたら、Desktop Subscription の契約満了まで 30 日毎にオンラインによるライセンス認証が発生します。次の内容は、契約満了まで繰り返す内容です。もちろん、契約満了が近づいた時点で契約を延長することが出来ます。
- 有効期限切れ14日前に製品内でメッセージを表示
- インターネットに接続してユーザ認証
- 以後、30日毎に契約満了日まで1.~2. を繰り返す
※ 2015年3月27日以前は14日毎でしたが、30日に改訂されています。
運用開始から 30 日経過した時点で製品内から指名ユーザの Autodesk ID でサインインされた状態で、インターネット接続されている状態なら、暗号化されたキャッシュを使って自動認証が実行されます。

初回起動後も含めて、30 日毎のライセンス認証が完了すれば、次のライセンス認証までオフラインで運用することが出来ます。
Desktop Subscription 利用時の注意事項
まとめると、Desktop Subscription 運用時の注意事項は、下記のようになります。
- インターネット接続が必要なのは初回起動時と30日毎の認証時
- 30 日毎の認証時はキャッシュで自動認証
- 次回認証時までオフラインでの運用が可能
- オンライン ライセンス転送ユーティリティは未サポート
Desktop Subscription はクラウドを利用したライセンス管理を利用します。指名ユーザの Autodesk ID があれば、クラウドを利用したフローティング ライセンスとして運用することもが可能です。このため、スタンドアロン版の永久ライセンスに搭載されている ライセンス転送ユーティリティ は利用できません。
ここまでに流れをアニメーションにすると、このような感じになるかと思います。契約管理者と指名ユーザの役割が理解できれば、製品自体の機能に変わりがないので、永久ライセンスと同じように、かつ、安価に製品を運用していくことが出来るはずです。
なお、Desktop Subscription へ移行した場合でも、過去3バージョンの利用権限行使によって、3世代前までの旧バージョン製品をお使いいただくことが出来ますので、その点、ご注意ください。毎年、アドイン アプリケーションの移植作業を強制するわけではありません。最新バージョン+過去3バージョンの範囲内で、お客様がお使いいただく製品バージョンを選択することが出来ます。
現時点で利用可能な過去バージョンは、こちら から参照いただくことが可能です。
By Toshiaki Isezaki

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