オートデスクのクラウドサービス Autodesk 360 ~ その3

前々回前回に続いて、代表的な Autodesk 360 をご紹介します。今回ご紹介するサービスは、クラウドの持つリソースを使った強力な演算処理サービスを提供する Autodesk 360 Rendering と Autodesk 360 Inventor Optimization サービスです。Autodesk 360 の演算処理サービスを使用する際には、サービスを利用するたびに、ジョブ と呼ばれる単位を消費する仕組みを採用しています。ジョブは、少し前まで クラウド ユニット と呼ばれていました。ジョブに関する情報は、Autodesk Knowledge Network に、関連する FAQ が記載されていますので、参考にしてみてください。

ジョブ (旧:クラウドユニット) とは何ですか?

Autodesk Subscription (サブスクリプション)を購入すると、いくつのジョブを利用できますか?

Autodesk 360のサービスを使用するのに、消費するジョブは?

Autodesk 360 Rendering

デスクトップ製品で実行していたフォトリアルなレンダリング画像の作成を、クラウドのコンピュータ リソースを使って短時間に提供するクラウド サービスです。AutoCAD と Revit では、製品の中から Autodesk 360 Rendering に直接 3Dモデル(DWG ファイル、RVT ファイル)をアップロードして、指定したビューのレンダリング画像を得ることができます。製品に組み込まれているレンダリング機能に比べて、非常に高速にレンダリング画像が入手できるので、とても便利です。

Comparison of rendering times between AutoCAD 2013 and Autodesk 360 Rendering services, showcasing different interior scenes. AutoCAD 2013 takes significantly longer to render compared to the faster processing of Autodesk 360, which utilizes cloud resources.

また、レンダリング処理はすべてクラウド側で計算されるので、クライアント コンピュータには負荷がかからず、レンダリング中でも他の作業が継続できる利点があります。レンダリングの終了を電子メールで通知するオプションがあるので、他の作業をしている場合にも便利です。

Autodesk 360 Rendering は、Web ブラウザを使って固有の URL(http://rendering.360.autodesk.com)からアクセスすることで、レンダリング ギャラリーから過去のレンダリング画像を表示、ダウンロードすることができます。2010 DWG 形式の場合のみ、このサイトから 3D モデルを含む DWG ファイルを直接アップロードできます。2013 DWG 形式の 3D モデルをレンダリングする場合には、AutoCAD 2013 製品内からアップロード指示する必要があります。 

AutoCAD から Autodesk 360 Rendering にレンダリング指示した場合、生成されるレンダリング画像の品質は、低品質の「ドラフト」モードで、画像のサイズも固定になります。このため、ドラフト モードでのレンダリング時には、現在のところ、ジョブは消費されないようになっています。

より高品質の画像を生成したい場合には、一度ドラフト モードで作成した画像をベースに、Web ブラウザ側から新しいレンダリング設定を指定する必要があります。なお、一度レンダリングした画像をベースに、360度見回すことが可能なパノラマ画像の生成も可能です。

この他にも、DWG ファイルから一度レンダリングした画像の露出調整や、「環境」と呼ばれる周囲 360 度の背景画像(既定の HDR 画像)を指定したレンダリング画像の作成も可能です。環境を指定した場合、背景画像が挿入されるようになり、パノラマの閲覧時には、表示する視点によって異なる背景を表示させて、より臨場感を表現させることもできます。また、環境を指定することで、レンダリング画像に反映される光源情報が HDR 画像から参照されるようになります。

上部に環境指定なしのレンダリング画像、下部に環境指定ありのレンダリング画像が表示されている。

2013年1月のアップデートでは、静止画像とパノラマ画像の他に、DWG ファイルから指定日時の太陽の遷移をアニメーション化する「日照シミュレーション」と、レンダリング画像内の照度をビジュアル化する照度画像を生成することもできるようになっています。

上部にはリアルな室内列車のレンダリング画像、下部には照度データを示すカラーマップと数値が表示されています。

一方、Revit 製品内からレンダリング指示した場合には、Revit 側で生成するレンダリング画像の品質や画像サイズや画像ファイル形式を指定することができます。また、Revit 内で日照シミュレーションの指定をすることもできます。 

日照シミュレーションで作成されたアニメーションは、WebM ファイルとしてダウンロードすることもでます。 

なお、Autodesk 360 Rendering サービスで使用しているレンダリング エンジンは、AutoCAD などのデスクトップ製品が利用している mental ray レンダリングエンジンとは異なるため、レンダリング結果に違いが発生します。具体的な違いは、次の Autodesk Knowledge Network で説明されています。

Autodesk 360 Renderingを使用したレンダリングとAutoCAD(Revit)のレンダリングの違い

Autodesk 360 Rendering で対象外の設定とオブジェクトについて

Autodesk 360 Inventor Optimization

Product Design Suite の Premium エディション以上に含まれる Inventor Professional から利用することができる応力解析のクラウド サービスです。クライアント コンピュータに負荷をかけずに、クラウド上のコンピュータ リソースを使って解析処理をおこない、その結果をクライアント コンピュータで利用できます。

処理中にクライアント コンピュータのリソースは利用しないので、別の作業を継続できる利点は Autodesk 360 Rendering と同様です。また、一回の解析サービス毎に ジョブ を消費する点も同じです。

 By Toshiaki Isezaki

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