クラウドの利用形態について

クラウドの登場によって、従来のデスクトップ製品の運用形態に変化が生じ始めています。オートデスクも Desktop Subscription の名前で、所謂レンタル ライセンスを利用した運用形態の販売にシフトしていく予定です。

今日は、Desktop Subscription の運用を説明する前段階として、現在、目にすることができる「クラウド」の運用形態を少し整理しておきたいと思います。

デスクトップ製品の運用 

従来の形態では、永久ライセンスとして購入(買い取り)した製品を設計者やデザイナーが利用するコンピュータにインストールして利用していました。この時、同時にライセンス情報がコンピュータに記録されて、永続的に製品を利用することが出来るようになります。製品を使って作成した設計/デザイン データは、同じコンピュータに保存されるのが一般的です。他者とのデータをやり取りするコミュニケーションでは、メールや社内のファイル サーバー、フロッピー ディスクや USB ドライブなどが活用されていました。

Illustration of two computers connected by a USB drive, with labels for 'Applications', 'Data', and 'License'. Logos of SolidWorks and Microsoft Office are displayed.

クラウド ストレージとの運用

クラウドが登場して最初に普及してきたクラウドの運用形態です。 製品は従来と同じように、設計者やデザイナーが利用するコンピュータにインストールして使用します。ライセンス情報や作成したデータの保存場所も、従来とあまり変わりません。ただし、バックアップとして、クラウド ストレージ上にデータを保存する運用が生まれました。クラウドにアクセスすることが出来れば、どこからでもデータにアクセスすることが出来る、という点も重要です。

このような運用を提供しているのが、DropBox、Box といったクラウド ストレージ サービスを提供する企業です。オートデスクの A360 Drive もクラウド ストレージ サービスを提供しています。

An illustration depicting cloud services and data transfer, featuring a computer with an application and database icon, alongside icons for various software applications including SolidWorks, Microsoft Office, Dropbox, Box, and OneDrive.

クラウドによるライセンス管理

クラウドの一歩進んだ利用方法です。この場合、ライセンス情報をユーザのコンピュータに記録するのではなく、クラウド上に記録して保持します。この方法をオートデスクのようなソフトウェア製品ベンダーがユーザに代わっておこなうことで実現するのが、期間限定のレンタル ライセンスです。オートデスクでは、Desktop Subscription と呼んでいますが、Adobe Systems 社の Adobe Creative Cloud も、この運用形態です。ライセンス情報はベンダーが管理するので、契約期間だけ製品を利用することが出来、更新も自由です。

設計者やデザイナーが利用するコンピュータに、従来と同じように製品自体をインストールしなければならない点に変わりはありません。もちろん、データはバックアップとしてクラウド ストレージに保存することもあるはずです。

Illustration depicting cloud services with a computer showing applications and data, connected to a cloud with licensing and data icons, representing Adobe Creative Cloud.

純粋クラウド サービス

製品(アプリケーション)、ライセンス情報、データのすべてをクラウドで管理する運用形態です。ユーザのコンピュータには、クラウド上で稼働するアプリケーションや、そのデータを表示、操作するためのインタフェースとして、Web ブラウザが存在すれば十分です。

この方法を採用することで、特定の OS に依存せず、Web ブラウザがあればモバイル デバイスでもデスクトップ コンピュータと同じユーザ エクスペリエンスを享受することが出来ます。ユーザのコンピュータには何もインストールする必要はありません。クラウド上で管理されるユーザ アカウントあれば、ユーザがどのデバイスを利用してもいいわけです。ある意味では、究極のフローティング ライセンスと言えます。

オートデスクでは、5 年から10 年の間に、ほとんどの運用形態が、この方法に変わっていくものと予想しています。既に、Microsoft 社の Office 365、Google 社の Google Docs などがこの運用形態でサービスを提供しています。

An illustration demonstrating cloud services, featuring a computer and mobile devices displaying various browser logos, with icons for cloud applications like Autodesk A360, Google Docs, Microsoft Office 365, Salesforce, and Concur.

いかがでしょうか。「クラウド」と言っても、様々な運用形態を持つものがあることがご理解いただけるものと思います。まずは整理ということで、把握いただければ幸いです。

デスクトップ製品のクラウド上で実行?

さて、実は上記のような形態とは少し異なる形態で既存のデスクトップ製品を運用したい、というご要望をお聞きすることがあります。具体的には、社内のコンピュータではなく、パブリック クラウド上に仮想化した OS を作成して、そこにデスクトップ製品をインストールするというものです。この場合、実行中の製品の画面を転送したり、OS 画面ごと転送してクライアントから利用する、いわゆる、シンクライアントないし、VDI(virtual desktop infrastructure)の仕組みです。

Illustration depicting the concept of desktop virtualization using Citrix Receiver and VMware Horizon View Client. A computer with a keyboard connects to a cloud server representing data licensing and applications.

オートデスクのデスクトップ製品の場合、お客様が購入した製品を第三者の所有・管理するハードウェアを使って運用する方法は、使用許諾およびサービス契約  2.1.1 ライセンス付与の排除、許諾されない行為 の (d) 項で禁止されていますのでご注意ください。使用許諾およびサービス契約 は、こちら から参照していただくことが出来ます。

By Toshiaki Isezaki

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