クラウド サービスをご紹介する際に、必ず、話題になるのがセキュリティです。この場合、矛先はクラウドに向かっているのですが、今日は、クラウド自身のセキュリティではなく、図面ファイル自身のセキュリティについて、AutoCAD が持つ図面ファイル保護の機能と API 上での扱いをご案内しておきたいと思います。
まず、ご紹介するのは、最も分かり易いファイル保護の1つである、図面ファイルのパスワード保護機能です。
図面ファイルを保存する際にパスワードを与えて保存することで、次回、その図面ファイルを開く際にパスワード入力が必要になります。正しいパスワードを入力しないと、図面ファイルを開いて表示や編集をおこなうことが出来ません。
パスワードの設定は、SAVEAS コマンド等で表示される [図面に名前を付けて保存] ダイアログ右上にある「セキュリティ オプション」から設定することが出来ます。

「セキィリティ オプション」選択すると、[セキィリティ オプション] ダイアログが開くので、ここで任意のパスワードを入力することが出来ます。[OK] ボタンでダイアログを閉じる際には、再度パスワードの入力を求められます。

その後、名前を付けて図面ファイルを保存すると、パスワード保護された図面ファイルとして保存されることになります。注意が必要なのは、パスワード保護した図面の保存直後には、起動中の AutoCAD に設定したパスワードが「キャッシュ」として残っているため、すぐに図面ファイルを開いても、パスワードを聞かれずに図面をが開いてしまう点です。確認をするためには、いったん、AutoCAD を終了してから図面ファイルを開いてみてください。
キャッシュのない状態では、次のようなダイアログが表示されて、パスワードの入力を促します。

ここで誤ったパスワードを入力すると、エラーが表示されるので、再度、パスワード入力をおこなうか、処理をキャンセルすることしか出来ません。

API からパスワード保護を設定したり、パスワード保護された図面を開く処理を実装するのは、いたって簡単です。例えば、AutoCAD .NET API で図面ファイルを保存する場合には、Database.SaveAs メソッドを利用するます。この部分については、AutoCAD のオンライヘルプに記述がありますので、まずは こちら のページをご参照ください。このページで利用されている SaveAs メソッドの第 4 パラメータ “SecurityParameters” が、セキュリティ設定を担う部分です。ここにパスワードを設定することになります。
パスワード保護された図面ファイルを API で開く場合には、DocumentCollectionExtension.Open メソッドを利用します。Open メソッドには 3つのオーバーロードがありますが、このうちの1つに、パスワードをパラメータに設定dけきるものがあります。
具体的なパスワード保護設定と、図面ファイルのオープンについては、次のドキュメントで解説していますので、必要に応じてご参照ください。
何かと便利なセキィリティ機能ですが、次の点にはご注意ください。
- パスワードを忘れてしまった場合には、残念ながら API でも図面ファイルを開くことができなくなります。オートデスクが解析してパスワードをはずすようなことも出来ません。
- パスワード保護された図面ファイルを A360 クラウドにアップロードしても、A360 が図面ファイルにアクセスできなくなるため、プレビュー生成や図面表示機能を利用できなくなってしまいます。
パスワード保護は、図面流出時のセキュリティを保護するもっとも容易な方法です。長所短所をご理解いただいた上で、適宜、お使いください。
ご注意:パスワード保護の機能は、AutoCAD 2016 で削除されています。詳細は、AutoCAD 2016 のカスタマイズ互換性 のブログ記事をご確認ください。
By Toshiaki Isezaki

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