AutoCAD 2012 での新機能

Windows XP のサポート切れにともなって、AutoCAD 2014 へのアップグレードを計画されている方が多いようです。その際に、現在お使いの AutoCAD バージョンから、最新の AutoCAD 2014 までの間に、そのような機能が追加されたのか、具体的に知りたいという要望が寄せられるようになっています。そこで、数回に渡って、AutoCAD 2010 から AutoCAD 2013 の各バージョンで追加や改善された新機能を、動画も含めて記載しておきたいと思います。

今回は、AutoCAD 2012 での機能についてダイジェストで紹介していきます。

AutoCADの各バージョンの機能比較表。2010年から2014年までの新機能や改善点が示されています。

詳細は、下記のリンクから AutoCAD 2012 概説書(プレビュー ガイド)をご参照いただければと思います。

UCS の機能強化

AutoCAD 2012 では、UCS をより速く、使いやすくするための多数の機能強化が行われました。UCS アイコンは、直接操作できるように更新されました。UCS アイコンを選択してから、多機能グリップを使用して UCS を変更できます。簡単に原点を移動したり、オブジェクト(サーフェスやソリッドの曲面を含む)に UCS を自動的に位置合わせできます。また、UCS コマンドから UCS にアクセスすると、UCS アイコンのダイナミック プレビューが表示されます。そのため、UCS のオプションが理解しやすくなり、必要な操作を行いやすくなります。

他社製 3D CAD データの読み込み

CATIA、NX、Parasolid、Pro/Engineer、Rhino、SolidWorks などのさまざまなファイル形式を読み込み、これらを使用して AutoCAD で設計ドキュメントの作成を開始できます。[読み込み]コマンドには、[挿入]リボン タブの[読み込み]パネルからアクセスできます。[ファイルの読み込み]ダイアログ ボックスの[ファイルの種類]ドロップダウン リストから、希望のファイル形式を選択できます。

読み込み処理が進行している間、ステータス バーのトレイに読み込みアイコンが表示されます。読み込み処理の完了はバルーン通知によって示され、バルーン通知のリンクに、変換されたファイル名が表示されます。リンク上にカーソルを移動すると、ファイルの絶対パスとファイル名を確認できます。

新しいファイル形式の読み込みは、サーフェス、ソリッド、2D および 3D ワイヤ ジオメトリに対応しています。データは完全な AutoCAD ジオメトリに変換され、ブロックとして図面に挿入されます。元のモデルのパーツとアセンブリは保持され、ネストしたブロックとして複製されます。読み込み後は、AutoCAD の標準の編集コマンドを使用してデータを自由に修正し、新しいモデル図面化コマンドを使用して 3D モデル図面を作成できます。

自動調整配列複写機能

ビルの窓や橋のトラス構造のような用途のために、配列複写されたオブジェクト間の関係性を確立して維持できるようになったため、貴重な修正時間を短縮できます。さらに、指定したパスに沿ってオブジェクトを配列複写できるようになったため(矩形状や円形状に配列複写するのではなく)、コンセプト デザインまたは図面完成までの時間をさらに短縮できます。

新しい配列複写機能を使用すると、配列複写されたオブジェクト間の一連の関係を確立し維持できます。配列複写を作成すると、配列複写プロパティを視覚的に編集するためのグリップ付きのプレビューが表示されます。また、配列複写の作成後でも、[プロパティ]パレットまたは多機能グリップを使用して編集することができます。

配列内の個々の項目を修正、削除、または形状を変更するには、[Ctrl]キーを使用して目的のオブジェクトを選択します。その後は、使い慣れた AutoCAD 編集コマンドを使用して、選択したオブジェクトの削除、移動、回転、または尺度変更を行うことができます。また、[項目を置き換え]コマンドを使用して、選択した配列複写項目のインスタンスを他のオブジェクトに置き換えることもできます。オブジェクトを変更しても、そのオブジェクトと配列複写との関連付けは維持されるため、個々のオブジェクトに変更を再度適用しなくても、配列複写プロパティを変更できます。必要に応じて、リボンまたは右クリック メニューの[リセット]コマンドを使用して、いつでも既定のサイズと位置に簡単に戻すことができます。

強力な自動調整配列複写機能では、従来の矩形状配列複写と円形状配列複写に加え、新しいパス配列複写も適用できます。パス配列複写を使用すると、指定したパスに沿って要素を均等に分散できます。指定した数の要素をパスに沿ってフィットさせるのではなく、要素間に特定の距離を指定する場合、[計測]オプションを使用できます。一方、要素の間隔にかかわらず、特定の数の要素が必要な場合、分割オプションを使用できます。

モデルの図面化

AutoCAD や Inventor などのモデルをもとに、インテリジェントな図面を自動的に作成するため、作業時間を短縮できます。元のモデルが変更されると、図面ビュー、エッジの表示、位置が即座に更新されます。[ベース ビュー]コマンドは、モデル空間の 3D ソリッドおよびサーフェスから 2D ビューを作成します。モデル空間にサーフェスもソリッドも存在しない場合、Inventor モデル(ipt、iam、ipn ファイル)を選択することができます。[ベース ビュー]コマンドでは、モデルの縮小プレビューが自動的にカーソルに表示されます。図面レイアウト
にベース ビューを配置するときに、種類、方向、尺度などのオプションを指定できます。

ベース ビューの配置後には、投影ビューを作成できます。投影ビューは、既存のベース ビューまたは投影ビューの単純な投影で、8 種類の標準ビュー投影(4 種類の直交投影と 4 種類のアイソメ投影)に対応しています。投影ビューは、ベース ビューの投影タイプ(第一角法または第三角法)を使用して描かれます。投影ビューの作成時に、選択したビューと投影ビューとの間に親子関係が形成されます。既存の図面ビュー オブジェクトは、最新のデータに更新されている限り、親ビューとして選択できます。選択したビューが親ビューになり、投影ビューが子ビューになります。親ビューの投影タイプ(第一角法または第三角法)と他のすべてのプロパティが、子ビューに継承されます。作成後は、子ビューの一部のプロパティを修正することができます。

次回は AutoCAD 2013 で新機能だった内容についてご案内しましょう。

By Toshiaki Isezaki 

 


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