Revit 2027 新機能 ~ クラウド連携 2(AEC Data Model と拡張プロパティ)

Revit 2027 の新機能である「拡張プロパティのリンク」をご案内するにあたり、前提となる AEC Data Model を理解していただく必要がございます。今回は、まず AEC Data Model の概要からご紹介いたします。

業界別粒状データ – AEC Data Model

Revit モデルを含め、BIM モデルなどの設計ファイルは、ファイルサイズが非常に大きく、またファイルという特性により、バージョン管理、他者との共有、他のファイルとの関連付け、セキュリティリスクなど、様々な問題を抱えております。

こうした問題に対して、オートデスクは、ファイル内のデータを粒状データとしてデータベースに抽出し、クラウド上でアクセスできる仕組みの開発に取り組んできました。その成果として、建設業界に特化した AEC Data Model が誕生しました。

AEC Data Model を利用開始するためには、Forma – Hub Admin の設定で、AEC Data Model をアクティブにし、Revit 2024 以降のモデルを Autodesk Forma(旧名 Autodesk Construction Cloud)の Data Management に保存します。

すると、AEC Data Model が抽出され、AEC Data Model API を通じて、粒状化されたモデル データと直接対話することが出来るようになります。

AEC Data Model は、Forma Data Management 上では不可視です。あくまでも API での利用を想定しています。

主な特徴には、次のような機能が含まれます。

  • Autodesk Forma のプロジェクトやデザイン モデルのブラウズ
  • 特定の要素、パラメータ、プロパティ値をクエリー
  • カテゴリまたはプロパティでデータをフィルタリング
  • モデルの異なるバージョン間での検索
  • モデルの 2 つのバージョンを比較

さらに、こちらのブログ記事でご案内している「拡張プロパティ」が一般公開されております。「モデルジオメトリへのアクセス」については、現在も Public Beta 中の Data Interoperability SDK を Feedback サイトからお試しいただけます。

  • 拡張プロパティの作成(一般公開済み)
  • モデルジオメトリへのアクセス(Public Beta, Data Interoperability SDK のインストールが必要)

AEC Data Model Explorer で拡張プロパティを追加

オートデスクは、AEC Data Model API の動作を手軽に確認するために、AEC Data Model Explorer というツールを公開しております。

このツールでは、GraphQL API を使って、Forma Data Management に保存されたご自身の Revit モデルの AEC Data Model にアクセスすることができます。

AEC Data Model Explorer のセットアップ方法については、下記のページをご参照ください。予め、お客様の Forma 環境にて、Hub Admin のカスタム統合で、オートデスクが公開している ClientId を追加していただく必要がございます。

Using AEC Data Model Explorer

初期状態で右上の[Sign In]ボタンからサインインすると、予め用意されているクエリをお試しいただくことができます。Forma Hub の取得からプロジェクトの一覧取得、ElementGroup(≒Revit モデル)の取得、カテゴリを指定してElementGroup(≒Revit モデル)内要素の取得などが実行できます。それぞれのクエリの解説は、下記のページをご参照ください。

さらに、下記のチュートリアルに従うと、AEC Data Model Explorer でも Revit モデル内要素に拡張プロパティを追加することができます。
※AEC Data Model Explorer は、あくまでもテストツールという位置づけですので、プロダクション環境ではご利用いただけません。

AEC Data Model の拡張プロパティをリンク

Revit 2027 では、上述した AEC Data Model の拡張プロパティにアクセスできるようになりました。

Revit API 開発者の方は、拡張ストレージ(Extensible Storage)という API が公開されているのをご存知かもしれません。仕組みとしては、これと利用方法は似ており、予めカスタムのプロパティを定義しておくことで、モデル内の要素に対して、カスタムプロパティを追加することができるようになります。

今回は、AEC Data Model Explorer を通じて拡張プロパティを作成・モデル要素に追加し、Revit 2027 で確認する手順をご紹介します。

※予めご注意いただきたい点:AEC Data Model API の HubId, ProjectId, ElementGroupId は、APS – Data Management API で取得する Id とは異なるスキーマを採用しています。ただし、AEC Data Model API でもクエリの結果として、 alternativeIdentifiers を指定することで、Data Management API と同じ Id を取得することも可能となっています。

1 .プロパティ定義コレクションの作成

初めに、Forma Hub にプロパティ定義のコレクションオブジェクトを作成します。画面左上が GraphQL API のクエリ・ミューテーションのメソッドで、左下のウインドウでメソッドのパラメータを設定します。

HubId を指定してミューテーションのメソッドを呼び出します。ウィンドウの右側に結果が表示され、プロパティ定義コレクションの ID が返されます。

2. プロパティ定義を作成

指定した Hub にプロパティ定義コレクションが作成できたら、そのコレクションにプロパティ定義を追加していきます。

ここでは、”Cost” というプロパティを文字形式で作成しています。

3. ElementGroup(≒Revit モデル)内ドアインスタンス要素の取得

GetElementsFromCategoryタブで、Revit モデル内のドア要素を取得します。

4. ExtensionElementGroup の作成

ElementGroup(≒Revit モデル)に対応する ExtensionElementGroup を作成します。モデルという要素グループに、拡張プロパティ用の要素グループの入れ物を作成して対応付けるイメージです。

5. 拡張プロパティを要素に追加する

ExtensionElementGroup の Id に、対象のインスタンス要素の Id、拡張プロパティの Id、そしてその値を引数に、指定したインスタンス要素に拡張プロパティを追加します。

これで、AEC Data Model API で拡張プロパティが追加できました。

Revit 2027 では、AEC Data Model API を通じて作成した拡張プロパティのデータセットを、Revit クラウド モデルの要素にリンクすることができます。

6. Revit 2027 で拡張プロパティのデータセットをリンクする

拡張プロパティにアクセスするには、[リンクの管理]ダイアログを使用します。拡張プロパティのリンクを選択し、Revit モデルが保存されている Forma Hub – プロジェクト – フォルダにナビゲートすると、ExtensionElementGroup が表示されるので、これをリンクします。

注: 現時点では、AEC Data Model – GraphQL API を介して作成された拡張プロパティのみが Revit へのリンクに対応しています。Model Coordination の[プロパティを追加(ベータ版)]で追加されたプロパティは、現在 Revit では使用できません。

7. ドアインスタンス要素の拡張プロパティを確認

ドアインスタンス要素を選択すると、プロパティパネル上で拡張プロパティを確認することができます。ただし、Revit 2027 では拡張プロパティは読み取り専用となります。

クラウド モデルの AEC Data Model の増分更新(テクニカル プレビュー)

さらに、新しいテクニカル プレビューでは、クラウド モデルの AEC Data Model に対する増分更新が可能になりました。

Forma Data Management の[プロジェクト設定]の[Forma Connected Client]の切り替えによって有効にすることができるこの機能の内容は、次のとおりです。

  • 中央モデルと同期、またはクラウド モデルの場合はクラウドに保存した後に、AEC データ モデルを更新します。注: [中央モデルと同期]の完了後、AEC データ モデル内のデータが更新されるまでに数分かかることがあります。
  • AEC データ モデルを更新するためにパブリッシュする必要がなくなります。
  • 適切な Forma Data Management 権限を持つユーザが、更新されたデータにアクセスできるようになります。

注: [中央モデルと同期]の実行中、特に変更が大きい場合はパフォーマンスが低下することがあります。

先ほどの続きで、AEC Data Model の拡張プロパティを更新してみます。

8. 拡張プロパティの値を更新

9. Revit 2027で拡張プロパティの値の更新を確認

中央モデルと同期コマンドを実行すると更新された値を確認できます。もしすぐに更新されない場合は、一度、Revit プロジェクトを閉じてから、開きなおして再度、中央モデルと同期をお試しください。

このように、Revit 2027 では Autodesk Forma や AEC Data Model との連携が強化され、Revit モデルのデータを粒状化し、さらにカスタムデータで拡張できる仕組みがサポートされました。ぜひお試しください。


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