ちょうど1年程前に、Autodesk 360 クラウドのサポート ファイル と題して、Autodesk 360 で表示することが出来るファイル形式について、ご紹介したことがあります。先日、正式に公開された新しい Autodesk 360、改め、A360(http://autodesk360.com)では、サポートされるファイル形式が飛躍的に増加しています。今日は、この対応の背景と、現在サポートされるファイル形式についてご案内したいと思います。
背景と問題点
ご存じのように、設計やデザインに関わる製品は多種多様であり、オートデスクだけでも CAD や CG 製品が数多く販売されています。もちろん、他社の製品でも同様です。そして、作成したデータを保存するために、個別に全く異なるファイル形式が採用されています。

CAD や CG ソフトウェアの黎明期には、各社、ファイル形式の囲い込みでユーザ数を増やそうとしてきた時期があります。ファイル形式が増えてしまうと、利用する製品の差異によって、共同プロジェクトに参加している企業同士でデータ交換が難しくなります。そこで、DXF ファイル形式のように、データ交換専用の中間ファイル形式が発案されました。ところが、中間ファイル形式のデータ交換においても、ソフトウェア メーカー各社の仕様解釈の違いや、自社製品内での表現の制限から、必ずしも同じ状態を維持したデータ交換は実現出来ていないように思います。
現在では、世の中に流通しているデータ ファイル形式は、膨大な数になってしまっています。そこで、最低限、流通するデータの閲覧に問題が生じないよう、無償ビューワを公開してきた経緯も存在します。オートデスクも DWG TrueView や Design Review、FBX Review などを提供しています。
ただ、無償ビューワでも流通するすべてのデータ ファイル形式をサポートしているわけではありません。ユーザー側の視点で考えれば、データを見るだけの目的で、ファイル形式毎に異なるビューワ製品をインストールする手間が発生します。ファイル形式も製品バージョンで変わっていくので、そのたびにビューワ製品を入れ替える必要があり、管理も面倒です。

残念ながら、データ資産としてのファイル形式や、扱うデータが特殊性やを考えると、今後もファイル形式が劇的に減っていくことは考えにくい状況です。
解決策と方向性
現在、オートデスクに限らず、ITの世界ではクラウドを利用したサービスの利用が加速しています。クラウドの中核になるのは、データを保存するためのストレージ サービスと、データを加工するなどの演算サービスです。当然、ユーザ アカウント毎にデータは保護されますが、明示的に第三者と共有宣言することで、同じデータを使ったクラウドならではの共同運用が可能になります。これを コラボレーション という言葉で表現します。
クラウドに移行してもデータ ファイル形式の違いと閲覧の問題が発生することになりますが、Autodesk 360 では、ユーザがファイル形式を意識しなくても済むように、クラウドにアップロードした各種データ ファイルを、一元的に表示閲覧できるように中間形式に変換(Translation)する方法を採用してきました。

現在、A360 のビューワ機能で閲覧することが出来るのは、次の拡張子を持つファイル形式です。同じファイル形式でも扱う製品によって拡張子が異なったり、異なる製品でも同じファイル形式を持つものが存在するので、拡張子だけの明記になっています。
| デザイン系 | マルチメディア系 | オフィス系 |
| 3DM | AVI | CSV |
| 3DS | BMP | DOC* |
| ASM | DIVX | DOCM |
| CAM360 | FLI | DOCX* |
| CATPART | FLC | DOT |
| CATPROD | FLV | DOTM |
| CATPRODUCT | GIF | DOTX |
| CGR | JPE | ODP* |
| DAE | JPEG | ODS* |
| DLV3 | JPG | ODT* |
| DWF | MOV | |
| DWFX | MP4 | PS |
| DWG | MPG | POT |
| DWT | MPEG | POTM |
| EXP | OGG | POTX |
| F3D | PNG | PPA |
| FBX | PPM | PPS |
| G | QT | PPSM |
| IAM | RM | PPSX |
| IGE | TIF | PPT* |
| IGES | TIFF | PPTM |
| IGS | WEBM | PPTX* |
| IPT | WMV | RTF |
| JT | TXT | |
| MODEL | XLS* | |
| NEU | XLSX* | |
| NWC | ||
| NWD | ||
| OBJ | ||
| PRT | ||
| RVT | ||
| SAB | ||
| SAT | ||
| SESSION | ||
| SIM | ||
| SIM360 | ||
| SKP | ||
| SLDASM | ||
| SLDPRT | ||
| SMB | ||
| SMT | ||
| STE | ||
| STEP | ||
| STL | ||
| STLA | ||
| STLB | ||
| STP | ||
| WIRE | ||
| X_B | ||
| X_T | ||
| XAS | ||
| XPR | ||
| ZIP |
アップロードされた各種ファイルは、ファイル形式別に異なるプロセスを経て中間形式に変換されます。以前の Autodesk 360 とは異なり、ストリーミング配信用に変換される点に注意してください。また、同じ内容の 3D モデルが含まれる場合でも、閲覧する品質に若干の違いが生じる場合があります。
同様に、ビューワで表示した際のメタデータ(文字情報)の検索や、分解機能、マテリアルの再現方法も、元のファイル形式からの変化処理によって、若干の差が存在しています。こういった差異も、今後改善されていくはずです。
2D 図面をアップロードした場合には、現在、すべての図面は一旦ラスター化されています。これらは、近い将来、ベクトル データとして表示できるようにする計画があります。実現すれば、3D モデルを表示した際と同じように、2D 図形を直接選択することが出来るようになるはずです。
そして、これら表示とファイル内のデータ検索機能は、View & Data サービスにも反映されていく予定です。このように、A360 はクラウドならではの運用を手助けできるよう、日々進化し続けています。
By Toshiaki Isezaki

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