AutoCAD 2026 のカスタマイズ互換性

遅れていた ObjectARX Wizard、.NET API Wizard が公開されましたので、前バージョンから AutoCAD 2026(Windows 版)への互換性をまとめてご案内したいと思います。

図面ファイル形式

AutoCAD 2026、AutoCAD LT 2026 では、引き続き、2018 図面ファイル形式 を採用しています。新規図面を作成して保存する際には、この 2018 図面ファイル形式が既定値となります。

もちろん、旧バージョンの図面ファイル形式を開いたり、保存したりする機能も従来通りです。

図面読み込み:

  • すべての AutoCAD バージョンで作成した DWG ファイル (非TrustedDWG を除く)
  • すべての AutoCAD バージョンで作成した DXF ファイル

図面の保存:

  • R14, 2000, 2004, 2007, 2010, 2013, 2018 形式の DWG ファイル
  • R12, 2000, 2004, 2007, 2010, 2013, 2018  形式の DXF ファイル

アドイン アプリケーションの互換性

AutoCAD 2026 は、AutoLISP/Visual LISP、ActiveX オートメーション(COM)、ObjectARX、.NET API、JavaScript API の 5  つの AutoCAD API をサポートします。前バージョンの AutoCAD 2025 からは バイナリ互換リリース となるため、同バージョン用に作成されたアドイン アプリケーションは、そのままロードして実行することが出来ます。ただし、念のため、動作チェックすることをお勧めしています。

過去バージョンと、その前バージョンからの互換状況、また、移植に必要となる基本情報は次のとおりです。

自動ローダー

アドイン アプリ運用時のセキュリティを向上させる目的で、パッケージ バンドルを使用する自動ローダーの検出に一部変更が加えられています。詳細は、次の記事をご確認ください。

サポート コンパイラ

ObjectARX と .NET API でお使いいただくコンパイラは、Visual Studio 2022 17.10.4 以降をサポートしています(ObjectARX は Visual Studio 2022 17.10.4 以降)。Visual Studio 2022 のインストール時には、多数のインストール オプションの指定が必要です。ObjectARX を使った開発をする場合には「C++ によるデスクトップ開発」を、.NET API を使った開発をする場合には「.NET デスクトップ開発」をそれぞれ選択してください。

ObjectARX

前バージョンの AutoCAD 2025 用に作成したアドイン アプリケーションをお持ちの場合には、https://www.autodesk.com/developer-network/platform-technologies/autocad/objectarx から ObjectARX SDK for AutoCAD 2025 をダウンロード、参照して新しい開発環境となる Visual Studio 2022 で再ビルドする必要がありますす。それ以前の既存プロジェクトの移植では、この作業が必須となります。プロジェクトに設定する「プラットフォーム ツールセット」は Visual Studio 2022(v143) になります。

また、リンクするスタティック リンク ライブラリは、ObjectARX SDK for AutoCAD 2026 の *25.lib に変更してください。

ObjectARX でカスタム オブジェクトを定義していて、COM サーバーとしてオブジェクト、メソッド、プロパティを COM で公開している場合には、.idl ファイルでインポートしているタイプライブラリも acax25enu.tlb ないし、acax25jpn.tlb に置き換える必要があります。

廃止、変更されたクラスや関数については、ObjectARX SDK for AutoCAD 2026 の docs フォルダの Reference Guide(arxref.chm)から ObjectARX Migration Guide セクション、または、オンラインヘルプ をご確認ください。 

以前の AutoCAD からの互換情報については、AutoCAD 2026 のオンライン ヘルプ、ObjectARX の互換性 もご確認ください。

AutoCAD 2026 用の ObjectARX Wizard は、https://www.autodesk.com/developer-network/platform-technologies/autocad ページ下部からダウンロードすることが出来ます。インストール時には、ObjectARX:ObjectARX Wizard のインストール  もご確認ください。インストール後に Visual Studio に ObjectARX Wizard が表示されない場合には、ObjectARX:ObjectARX Wizard が Visual Studio 新規プロジェクトに表示されない の記事をご確認ください。

また、正しくインストールされた  ObjectARX Wizard を使用した場合でも、Wizardの [MFC Support] 画面で Extension DLL using MFC shared DLL(recommended for MFC support) オプションにチェックしてプロジェクトを作成した場合、プロジェクト作成直後に作成されたプロジェクトがロードされず、[新しいプロジェクト] ダイアログが再度表示されてしまう場合には、お使いの Visual Studio 2022 に MFC コンポーネントがインストールされていない可能性があります。MFC コンポーネントは、コントロール パネル >> プログラムのアンインストール から、Microsoft Visual Studio Installer、または、Visual Studio 2022 を選択後、「変更」をクリックすると、Visual Studio 2022 のインストール後でも確認やインストール指示が可能です。

.NET API

サポートされる .NET は .NET  8.0 です。前バージョンの AutoCAD 2024 以前に作成したアドイン アプリケーションの Visual Studio プロジェクトをお持ちの場合には、プロジェクトをアップグレード後、AutoCAD 2026 のアセンブリ ファイルを参照して再ビルドが必要です。 具体的な手順は、同じく .NET 8.0 を採用する 1 つ前の AutoCAD 2025 用の記事をご確認いただくことが出来ます。

AutoCAD 2025 .NET 8 へのアドイン移植

 .NET 8.0 への移行には、Visual Studio Installer から、Visual Studio 2022 の [個別のコンポーネント] で「.NET 8.0 Runtime (Long Time Support)」または「「.NET 8.0 ランタイム (長期サポート)」」を先にインストールしておく必要があります。

一部のクラスやメソッド、プロパティが変更されている場合がありますので、ソースコードに適切な変更を加える必要があります。

廃止、変更されたクラスやメソッド、プロパティについては、ObjectARX SDK for AutoCAD 2026 の docs フォルダの Managed Class Reference Guide(arxmgd.chm)から .NET Migration Guide セクションセクション、または、オンラインヘルプ をご確認ください。 

なお、.NET API の開発者用ガイドは、AutoCAD 2026 のオンライン ヘルプ内で Managed .NET 開発者用ガイド(.NET) として日本語化されたドキュメントを参照することが出来ます。

以前の AutoCAD からの互換情報については、同じく、Managed .NET の互換性 もご確認ください。

AutoCAD 2026 用の .NET Wizard は、https://www.autodesk.com/developer-network/platform-technologies/autocad ページ下部からダウンロードすることが出来ます。

ご参考:1 バージョン前の AutoCAD .NET API:.NET 8 対応 AutoCAD 2025 用 .NET API Wizard 

以前、NuGet と AutoCAD.NET API のブログ記事の内容と同様に、AutoCAD 2026 上で .NET API で使用する際に参照するアセンブリは、Visual Studio 上の NuGet パッケージ マネージャからオンラインで入手することが出来ます。

https://www.nuget.org/packages/AutoCAD.NET

ActiveX オートメーション(COM)

前バージョン用に作成されたアドイン アプリケーションは、そのままロードして実行できるはずです。こちらも、可能であれば、新しいバージョンのタイプライブラリを参照しなおしてテストすることをお勧めします。以前の AutoCAD からの互換情報を含め、タイプライブラリの詳細は、AutoCAD 2025 のオンライン ヘルプ、VBA と ActiveX の互換性 をご確認ください。

VBA をお使いの場合、VBA コンポーネントは http://www.autodesk.com/vba-download-jpn から参照可能な Autodesk  Knowledge Network 記事からダウンロードすることが出来ます。

AutoLISP

Visual Studio Code での AutoLISP 開発 でご案内のとおり、AutoCAD 2020 以前からの移行の場合、従来の Visual LISP エディタが Visual Studio Code に置き換えられていますのでご注意ください。AutoCAD 2026 でも MAKELISPAPP[LISP アプリを作成] コマンドを使って、配布に適したアプリケーション ファイル(.vlx ファイル)にコンパイルすることが出来ます。コンパイル時には、複数の AutoLISP ファイル(.lsp ファイル)を 1 つの .vlx ファイルにすることが出来るだけでなく、同時にバイナリ ファイル化されるので、ソース コードを保護することも出来ます。なお、コンパイル時には、従来通り、ウィザードが用意されています。

以前の AuoCAD バージョンからの互換情報については、AutoCAD 2026 のオンライン ヘルプ、AutoLISP の互換性 もご確認ください。

JavaScript

JavaScript ライブラリには変更はありませんので移植作業は不要です。

その他、アドイン アプリケーションの互換性に関する情報は、AutoCAD 2026 のオンライン ヘルプをご参照ください。  

By Toshiaki Isezaki

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