
前回の AutoCAD OEM に続いて、TrustedDWG を扱い、保存することが出来る開発者用 SDK である RealDWG をご紹介しましょう。
RealDWG は、開発者向けに用意された SDK(Software Development Kit)です。インストールしても、AutoCAD OEM のようにショートカット アイコンがデスクトップに登録されて、ソフトウェアを直接起動するようなことは出来ません。どちらかというと、AutoCAD や AutoCAD OEM が DWG ファイルや DXF ファイルにアクセスするための機能のみを提供します。
RealDWG SDK を開発に利用する 3rd Party デベロッパは、AutoCAD や AutoCAD OEM に変わるホスト アプリケーションと呼ばれるウィンドウを持つソフトウェアを開発して、その内部で RealDWG を用いて DWG/DXF ファイルにアクセスするようなイメージです。

AutoCAD や AutoCAD OEM のカスタマイズでは、ObjectARX や AutoCAD .NET API、AutoLISP やCOM といった AutoCAD API を駆使して、さまざまな独自機能やコマンドを実装することが出来ました。このような API や コマンドという概念は、「AutoCAD」というソフトウェア(ホスト アプリケーション)が持つ概念です。このため、RealDWG を利用する 3rd Party 製のホスト アプリケーションには適用されません。分かり易くいうと、RealDWG では、AutoCAD API と利用してコマンドを作成したり、拡張するようなことは出来ません。同様に、DWG/DXF ファイルを画面上に表示するような機能も提供していません。インタフェースへの図面表示は、ホスト アプリケーションに依存します。
RealDWG で唯一可能なのは、ファイルとして保存されている DWG/DXF ファイルをメモリ上に論理的なつながりとともに展開し、操作する点です。もちろん、メモリ上で操作した図面のイメージをDWG/DXF ファイルとして保存することも可能です。メモリ上に新規に図面イメージを構築して、DWG/DXF ファイル保存することも出来ます(新規図面の作成)。

ここでいうメモリ上の論理的な図面イメージとは、以前のブログ記事 AutoCAD API から見た図面構造と破損 でご案内した 図面データベース に一致します。つまり、AutoCAD API そのもを利用することは出来なくても、扱う対象は同じメモリ上に展開されたオブジェクトと、そのつながりである オーナーシップ接続 です。
提供される API は、ObjectARX に準ずるアンマネージ C++ 環境と、.NET Framework ベースで AutoCAD .NET に準じたマネージ言語環境(C#、VB,NET、C++)です。もし、AutoCAD API で ObjectARX と AutoCAD .NET API の使用経験をお持ちなら、ホストアプリケーション組み込みの部分を除いて、違和感なくプログラミングすることが出来るはずです。次の比較表は、AutoCAD、AutoCAD OEM と RealDWG のカスタマイズで実装可能な機能を簡単にまとめたものです。厳密には異なりますが、RealDWG でも前述の API 環境を ObjectARX と .NET API と表現している点に注意してください。

この表で注目していただきたいのは、図面の表示機能に加えて、RealDWG には印刷機能すらないという点です。AutoCAD の印刷機能には、印刷スタイルという AutoCAD 固有の機能も利用されています。もちろん、印刷スタイルは、ホストアプリケーションとして AutoCAD が提供する機能です。これら機能は、残念ながら、RealDWG では提供されていません。
さて、RealDWG の内容を調査したい、というご要望をいただきます。ここまでの説明で推測出来るかと思いますが、RealDWG の SDK の内容は、ほぼ、ObjectARX や AutoCAD .NET API で共通です。このため、ドキュメントも 90% ObjectARX SDK に含まれるものと共通になっています。ObjectARX SDK を http://www.autodesk.com/objectarx からダウンロードして、ObjectARX Reference(arxref.chm)や Managed Class Reference(arxmgd.chm)を除いてみてください。”ReadDWG” で検索すると、RealDWG 固有の関数、メソッド、クラスなどを参照することが出来ます。https://aps.autodesk.com/developer/overview/realdwg にも、簡単な紹介が公開されていますので、併せてご参照ください。
もし、価格も含めて RealDWG に興味を持たれた場合には、Tech Soft 3D 社にコンタクトしてみてください。AutoCAD OEM 同様、RealDWG は Tech Soft 3D 社のみが扱う開発者用 SDK 製品です。
By Toshiaki Isezaki

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